マネジメント全般
ビジョナリーカンパニー2
ジム・コリンズ
大事なのは誰をバスに乗せるか
経営学の哲人ピーター・ドラッカーの後継者とも言われるジム・コリンズの代表作です。市場変化のスピードが早い現代においては「何をやるか」より「誰とやるか」が重視する必要があるなど、偉大な会社になるための鋭い考察が随所に見られる蛍光ペン必須の一冊です。
信用を武器に変えるマーケティング戦略 平久保仲人
まっとうな商売が最後に勝つ
いかに顧客と信頼関係を構築し、それを長期的な利益につなげていくかについて、骨太な議論が展開されています。ともすれば精神論になりがちなこのテーマについて、ニューヨーク州立大学で教鞭をとり、アメリカで活躍されている気鋭の研究者らしく、科学的な根拠と学術的考察、圧倒的なデータで切り込み、いろいろな具体例が掲載されています。
マネジメントコントロール
MBA流チームが勝手に結果を出す仕組み
若林計志
マネジメントコントロールの超入門書
「スパルタと自由放任はどちらが正解なのか?」「どうすれば部下のやる気を高められるのか?」「どうして組織は官僚化するのか?」「組織力はどうすれば高められるのか」など、現場のマネージャーが直面する課題に解決のヒントを提示する。
企業成長のフシをどう乗り切るか
ラリ—・グレイナー
組織は5段階で発展する
南カリフォルニア大学のグレイナー教授が、企業成長につれて発生する組織の硬直化、不祥事などの問題について、そのメカニズムを極めてロジカルに解説した論文。マネジメントコントロールの視点から読み解いてみると、思わず膝を打つ鋭い分析が随所に発見できます。
Management Control Systems
K. Merchantなど
組織マネジメントの原理原則が分かる
日本ではまだあまりなじみがない「マネジメントコントロール」という分野について、包括的に解説している一冊です。著者は南カリフォルニア大学のKenneth Merchant教授などです。同じ分野で、ハーバード大のロバード・サイモンズの本は日本語版がありますが、個人的には本書のアプローチの方が分かりやすいと思います。
交渉術
人と組織を強くする交渉力
鈴木有香
協調的交渉術の教科書
ビジネス交渉では、相互に信頼関係を構築し、中朝的的に利益を最大化することに主眼が置かれます。この本は、コロンビア大学専門大学院で交渉術を学んだ著者が、その原理原則部分を余すことなく説明しています。私も著者が学んだ教授の元で学び、現場で実践してきた事とも整合性があるので、多くの人に本書をオススメしています。
問題解決/戦略思考
ストラテジックマインド
大前研一
企業参謀よりもこちら
ロジカルシンキングがメインとなっている「企業参謀」に大幅加筆して書かれた英語版「The Mind of the Strategist」の邦訳版です。洞察力や直観といった「アート」の部分をカバーして書かれており、「企業参謀」と少し趣が異なります。”経営”というものの全体像を見る場合には本書の方がベターです。
全体最適の問題解決
岸良裕司
システム思考型の問題解決
世界的なベストセラー「ザ・ゴール」(E.ゴールドラット著)で紹介されているTOC(制約理論)を使った問題解決の手法(思考プロセス)を詳しく解説している一冊です。ロジックツリーによる分解が主流になっている問題解決手法に対し、問題を引き起こしている要素をつなげ、システムの全体像を示した上で、そのキモになる部分に斬り込むんで解決すための手法が解説されています。本書の入門書に「考える力をつける3つの道具」があります。
仮説思考
内田和成
仮説をベースに検証する
ボストンコンサルティンググループの日本代表を務めた内田氏(現在は早稲田大学ビジネススクール教授)がロジカルシンキングや問題解決の基礎になる「仮説」について語った一冊。文語調ではなく、分かりやすい語り口なので、高校生レベルでも十分理解できる。(もちろん中身はプロレベル)この本の実践編に当たる「コンサルティング入門」もオススメ。
自己成長(啓発)
達人のサイエンス
G.レナード
自己成長のキーは「負ける事」
拙著「プロフェッショナルを演じる仕事術」でもご紹介した一冊ですが、とにかく面白いの一言。アメリカで合気道を教える著者が、上達のプロセスを克明に説明します。
師匠と弟子の関係、「上達する人」と「しない人」の話、成長カーブの話など著者の実体験に基づいた言葉には説得力があります。
アー・ユー・ハッピー
矢沢永吉
成り上がりは予告編だった
特に永ちゃんの大ファンということでもないのですが、若い頃「成り上がり」には大いに啓発されました。その永ちゃんが50歳を迎え、大人の視点で、ビジネスや音楽、人生について振り返っている一冊です。音楽事務所の社長としてのマネジメントの苦労や経営哲学なども語られており、一人の経営者としても見習うところが満載です。
敗戦記
大前研一
カリスマの実像を知る
日本における経営コンサルタントの元祖として活躍し、マレーシアなどの国家アドバイザーなどとして名を馳せた大前氏は、なぜ都知事選(程度)で負けてしまったのか?いつも勝ち気な同氏が、落選直後というタイミングで、自身の敗北を謙虚に振り返っている貴重な一冊。一人の人間としての著者の生き様がよく見える。
MBAが会社を滅ぼす
H. ミンツバーグ
Managers, Not MBAs
経営学では知らない人はいない巨匠ミンツバーグ教授が、既存のMBA教育を痛烈に批判した一冊。当時筆者もMBA業界にいたが、当時のビジネススクール関係者に大きなインパクト与えた。ビジネススクールは”分析屋”ではなく、結果を出せるマネージャーを輩出しなければならないというのがメインメッセージ。